任意整理 和解書

任意整理で債権者と和解をすると、和解書を作成することになります。

和解書とか和解契約書という言葉は聞き慣れない人が多く、どのような役割の書類でどんなチェックポイントがあるのか気になる人も多いと思います。

そこで、和解書の役割や記載事項、書式などをまとめて見ていきたいと思います。

任意整理の和解書の役割

任意整理 和解書

任意整理では債権者と和解が成立すると、和解書を作成して和解内容を書面化します。

和解自体は口頭でも成立しますが、口頭での和解だと、後で言った言わないの問題になるため、和解書を作成します。

和解書あるいは和解契約書という名称で、返済期間や返済金額、返済方法など任意整理後の債務内容について記載し、書面化して両者で保管します。

和解した内容を証拠として残す重要な書類です。


和解書は業者ごとに作成する

任意整理は、裁判所を通さずに各債権者と個別に交渉をして和解する手続き方法です。

交渉は債権者とそれぞれ行うことになり、和解した内容も債権者によって異なりますので、和解書についても債権者ごとに個別に作成します。

そのため、和解書は任意整理の対象となる債権者ごとに作成することになります。

仮に4社から借入をしていて、4社すべてを整理対象とする場合は、和解書を4社分作成する必要があります。

和解書の作成は、債務者側(代理人)と債権者側(貸金業者)どちらが作っても良いものですが、優秀な弁護士であれば自分で作成して主導権を握る人が多いようです。

弁護士に和解書を作成してもらえば、想定外の項目が盛り込まれるリスクが少なくなり、後々トラブルになることを防ぐことができます。


和解が成立する条件

なお、和解が成立するには以下の3つの条件が必要になります。

  • 当事者間に「争い」が存在している
  • 当事者双方が互いに譲歩する
  • 当事者が処分することのできる法律関係である

和解とは、当事者同士の紛争を互いが譲歩して合意することです。

そのため、当然ながら当事者の間には必ず争いがあることが必要であり、その中で互いが譲歩していることが必要です。

また、当事者間で処分できる法律関係である必要もあります。

他社の借金の減額について合意するなどは当然できませんので、任意整理であれば当事者同士で行われた借金について、利息カットや返済期間の短縮などを合意することになります。

ある意味当たり前のことではありますが、和解が成立するためには上記の条件が必要です。

和解契約書でも、これらの点を盛り込むことになり、和解が成立すると和解書に記載された内容で合意したことになり、債権者は和解内容と違った内容を主張することができなくなります。


任意整理の和解書の記載事項

  • 債務総額
  • 返済期間
  • 返済金額
  • 返済方法
  • 返済開始日
  • 和解成立日

任意整理の和解契約書に決まった書式はなく、交渉の結果を和解条項として記載して残しておくことになります。

任意整理の和解書として最低限は、債務総額、返済期間、返済金額、返済方法、返済開始日、和解成立日を記載しておけば良いでしょう。

その他、一般的には期限の利益喪失に関する条項や、遅延損害金に関する条項、清算条項などを記載事項として盛り込みます。


債務総額

債務総額は返済すべき債務の総額です。

任意整理の和解書では、まず債務の総額を当事者間でしっかり確認することが重要で、和解書にも債務総額を明記します。

記載方法は様々ですが、「和解金」、「仮受金債務」、「貸付金債権」などの名称で、債務がいくらあるかを明治します。

仮受金、貸付金などとすると、利息などの扱いでトラブルの元となりますので、和解金とすることが多いです。

利息カットをしている場合は、債務総額が返済総額となります。


返済期間

返済期間は、いつまでに完済するかを記載します。

「平成○年○月から平成○年○月まで」など返済期間を和解書に明記します。

任意整理は返済期間を3年から5年とすることが一般的で、返済期間は重要な交渉項目です。


返済金額

返済金額は毎月いくら返済するかを記載します。

利息カットしている場合は、債務総額が返済総額となりますので、返済総額を返済回数で割った金額を毎月返済することになります。


返済方法

返済方法はどのように返済するのかを記載します。

一般的には振込であることが多く、支払口座を記載したり、任意整理は分割払いで返済するのが一般的ですので、毎月の支払日などを盛り込みます。


返済開始日

返済開始日は返済を開始する日です。

初回返済日が記載されることになります。


和解成立日

和解成立した日を記載します。

契約書でいうところの契約日ですので、記載する必要があります。


期限の利益喪失に関する条項

期限の利益喪失に関する条項は、返済が遅れた場合に一括請求できるように定めた条項です。

任意整理は分割払いとなりますが、分割払いは一括払いと比べて返済を待ってもらっていることになり、これを「期限の利益」といいます。

返済が遅れた場合は「期限の利益を喪失する=一括請求する」ということを取り決めた条項です。

延滞が2回以上とか2ヶ月以上とするのが一般的です。

債務者としては不都合な条項ですので、なくすように交渉することもできますが、債権者としても延滞が続くのは避けたいので盛り込まれることの多い条項です。


遅延損害金に関する条項

遅延損害金に関する条項は、期限の利益が喪失した場合に発生する遅延損害金について定めた条項です。

上述した通り、任意整理の和解書では期限の利益の喪失に関する条項を定めることがあります。

遅延損害金は、期限の利益が喪失してから、一括返済するまでの間に発生するもので、残っている弁済額の年○%という形で定められます。

キャッシングの遅延損害金は20%となっていることが多いですが、任意整理における遅延損害金が発生するか、またその割合についても交渉によって決まります。

債権者によって、また任意整理の手続きを依頼する弁護士の交渉力によっても内容は変わってきます。


清算条項

清算条項は、和解書に記載されている債権債務の他には債権債務がないことを明記する条項です。

後からトラブルとなるのを避けるために債務者としては盛り込んでおきたい条項です。

清算条項があることで、和解書の債務を完済した後に、借金が残っているなど主張される心配がなくなります。

和解書の記載事項を見てきました。

この辺りは任意整理の手続きを依頼する弁護士に任せることになりますが、最終チェックをするのは自分ですので、最低限上記の項目について記載されているか、どのような内容になっているかはチェックしておきたいですね。

その他にそれぞれの状況に応じて、和解書に記載する項目もあると思いますので、弁護士に和解した内容をすべて盛り込んでもらうようにしましょう。


和解書のチェックポイント

和解書は上記の記載項目が自分の認識とあっているかどうかを確認します。

特に債務総額、返済金額、返済期間などは重要な項目ですので、確認する必要があります。

また、債務総額と清算条項があることをきちんと確認する必要もあります。

それによって相手方の債権者との間では、債務総額の金額だけを返済すれば借金はすべてなくなることになります。

後々のトラブルを避けるためにも債務総額と清算条項はきちんと盛り込む必要があります。

借金問題に強い信頼できる弁護士に依頼すれば、この辺りも抜かりなく和解書に盛り込んでくれるので、債務者としては信頼できる専門家を探すことが何よりも重要になります。


任意整理の和解書の書式

任意整理の和解書の書式は決まったものはありませんが、一例として以下のような書式で作成されます。

—————-
和解書
○○○○(以下、甲という)と○○○株式会社(以下、乙という)とは、甲乙間の金銭消費貸借取引について、以下の通り合意した。

1 債権と債務の確認
甲は乙に対し、本件和解金として金○○円の支払義務があることを認める。

2 支払方法
甲は乙に対し、前項の金員を、以下のとおり分割して下記口座に銀行口座に振り込む形で支払う。

(1〉平成○年○月から平成○年○月まで毎月末日まで 金○○円
(2〉平成○年○月末限り金○○円
(3)支払口座 ○○銀行○○支店 口座番号 ○○○○○○○ 口座名義人 ○○○○

3 期限の利益の喪失に関する条項
甲が前項の金員の支払いを2回以上怠り、その額が金○○円に達したときは、当然に期限の利益を失う。

4 遅延損害金に関する条項
前項の場合、甲は、乙に対し、第1項の金員の残金のほか、期限の利益を喪失した日の翌日から弁済が完了するまで残金に対する年○パーセントの割合による遅延損害金を支払う。

5 清算条項
甲及び乙は、甲乙間には、上記各項に定めるもののほかは何らの債権債務のないことを相互に確認する。

6 費用負担の条項
本件和解に要する費用は各自の負担とする。
上記の和解の成立を証するため、本書2通を作成し、甲乙各署名押印のうえ、各1通を所持するものとする。

和解成立日(平成○年○月○日)
甲の名前(署名と捺印)
乙の名前(署名と捺印)
—————-

書類の作成は弁護士がやってくれますが、イメージとして参考にしていただければと思います。


任意整理の和解書の取り扱い

和解書の保管は慎重にする

任意整理の和解書は、2通作成して債権者側と債務者側でそれぞれ保管することになります。

和解書は和解があったこと、またその内容を示す重要な証拠となりますので、大切に保管する必要があります。

また、紛失した場合などは基本的には再発行などはされません。


和解書は公正証書にするのは避ける

任意整理の和解書は、当事者間で作成し保管するのが一般的ですが、債権者によっては公正証書にすることを求めてくることがあります。

公正証書は公証役場に認めてもらうことで、公的な書面にする手続きです。

任意整理の手続自体は公正証書を作成する必要はありませんが、公正証書を作成していると、返済が滞った時に給料などの財産を差押えができるようになります。(これを債務名義として使えるといいます。)

本来、差押えは返済が滞った後に訴訟をして、判決が確定して初めてできるものですが、公正証書があることで簡単に差押えができるようになります。

つまり、公正証書は債権者にとってメリットが大きいものですので、できるかぎり公正証書を作成するのは避けた方が良いでしょう。


まとめ

任意整理 和解書

任意整理の和解書について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

  • 和解した内容を書面にしたものが和解書
  • 和解書は業者ごとに作成する
  • 債務総額、返済額、返済期間などが記載される

任意整理の和解書は、任意整理で和解した内容を書面にしたものです。

交渉をして和解した内容を口頭ではなく書面に残しておくことで後々のトラブルを防ぎます。

和解内容を書面化したものですので、債権者ごとに作成することになります。

和解書に記載される項目は、いずれも任意整理で合意した重要な内容になりますので、チェックする必要がありますが、信頼できる弁護士に依頼できれば特に問題ありません。

任意整理を進める上では、和解書の項目をすべて理解するよりも信頼できる弁護士を探すことの方が重要です。

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