債務整理の中で手続きする人が一番多い任意整理ですが、任意整理を検討している人の心配ごととして、今後住宅ローンを組むことができるのかがあると思います。
任意整理をすることで少なからず住宅ローンへの影響はありますので、任意整理をした後に住宅ローンは組めるのか、また住宅ローン審査に通らないのはどのようなケースなのかなど、任意整理をすることによる住宅ローンへの影響を見ていきたいと思います。
任意整理をすると住宅ローンを組める?
任意整理をすると、その後は住宅ローンを組めないのでしょうか?
結論から言うと、任意整理をしても住宅ローンを組むことはできます。
ただし、任意整理後、一定期間は住宅ローン審査に通りません。
そのため、住宅ローンを組みたかったら早めに任意整理をして「一定期間」の経過を待つ必要があります。
任意整理をすると信用情報機関に異動情報が登録され、いわゆる「信用ブラック」の状態となります。
金融機関はローン審査の際に信用情報機関を参照して、申込者の過去の金融事故などについて審査をしますが、信用情報機関に異動情報が登録されていると審査にはまず通りません。
ローン審査の中でも借入金額が多くなる住宅ローンでは、他のローン以上に審査が厳しくなるので、ブラックの人は審査に通りません。
任意整理をした後に住宅ローンを組めなくなる期間
任意整理をすると5年から7年の間、信用情報機関に異動情報が登録されます。また、滞納している場合は借金の完済から5年間は事故情報が残るので、この間も審査に通りません。
自分の信用情報が今どうなっているのか調べるには情報開示の手続きを取れば確認できますので、一定期間経過後に住宅ローンの申込をしたい人は事前に信用情報の開示請求をしておくと良いでしょう。
自分が確実にブラック状態が解除されたか確認するには、開示請求するかローン申込をするしかないですが、目安としては任意整理から5年から7年、滞納している場合は完済から5年は住宅ローンを組めません。
社内ブラックにも要注意
なお、任意整理で整理対象として金融機関は、社内のブラックリストに載る可能性が高く、社内のブラックリストには数年経過したら解除などはありませんので、半永久的にその会社でローンは組めないと諦めた方が良いでしょう。
信用情報機関の異動情報が解除されても社内ブラックの残りますので、基本的に一度整理対象とした金融機関でローンを組むことはできません。
任意整理では整理対象を選ぶことができますので、どうしてもその金融機関で住宅ローンを組みたいという人は、整理対象から外すということもできます。
任意整理後の住宅ローン審査に通った人の特徴
任意整理をした後に信用情報機関のブラック状態が解除されれば、その後は一般の人と同じように審査がされます。
過去に任意整理をしたことはわかりませんし、任意整理をしたことがある人が審査上不利になることはありません。
そのため、任意整理後に住宅ローン審査に通った人の特徴を見ると、以下の条件にあてはまる人が多くなっています。
収入が高く返済余力が十分にある人
大企業に勤務している人
勤続年数が長い人
安定した雇用形態の人(正社員)
このように収入や勤務先、勤続年数、雇用形態などが審査され、総合的に住宅ローンの審査に通るか判断されます。
例として、勤務先企業であれば自営業よりも中小企業勤務、中小企業よりも大企業勤務、大企業よりも公務員となるほど有利になります。
この他にも頭金を多く入れて物件価格に対する借入金額の割合(融資比率)をできるだけ低くしたり、収入に対して住宅ローンの返済額(返済比率)が無理のない範囲に収まっているなどすると審査に通りやすくなります。
いずれにせよ、任意整理後に住宅ローン審査に通った人は、信用情報機関の移動情報が削除された後、普通に住宅ローンに申し込んで審査に通るだけの属性が必要となります。
年収の5倍程度の借入れ額が目安とも言われていますので、自分の収入や仕事から見て無理のない金額の住宅ローンを申し込む必要があります。
過去に任意整理をしても住宅ローン審査を通過するポイント
- 融資比率と返済比率を一定以下にする
- 任意整理をした金融機関と同系列の会社を避ける
- 配偶者名義も検討する
過去に任意整理をしていても、信用情報がキレイになれば基本的には任意整理をしていない人と審査は同じです。
とはいえ、任意整理をするほどお金に困ったことがある人だと、属性もあまり良くないことが多く住宅ローン審査に通らない人も多いと思います。
過去に任意整理をしている人が住宅ローン審査を通過するためには、属性以外だと融資比率と返済比率を一定以下にすることです。
融資比率は物件価格に対する融資額の割合で、物件価格のうち何%をローンで賄うかを表す指標です。
返済比率は年収(税引前)のうちどれくらいの割合が返済額となるかを表す指標です。
融資比率、返済比率は以下が目安となります。
- 融資比率:80%以下
- 返済比率25%以下
融資比率、返済比率は上記比率以下が優良顧客の目安と言われていますので、できる限り融資比率、返済比率ともに上記以下となるように調整しましょう。
また、任意整理をした金融機関と同系列の金融機関を避けるのも重要です。
例えばプロミスは三井住友銀行系列で、アコムは三菱東京UFJ銀行系列の消費者金融です。
これらの会社を整理対象とした場合には同系列の銀行を避けることで、審査の通過率を上げられる可能性があります。
その他に審査に通過しやすいといわれる金融機関に申込をするのも一つの手段です。
後は、自分の属性で住宅ローンの審査に通らない場合は、配偶者がいる人は配偶者名義で申し込むと審査に通ることもあります。
最近は共働き夫婦が増えており、収入や属性は配偶者の方が良いという人も珍しくありません。
単純に年収を見ると夫の方が高くても、妻が公務員や大企業で働いているなど住宅ローンの審査上有利というケースもありますので、配偶者名義で申し込んだり、夫と妻の共有名義やローンを半々で借りるなど工夫することで住宅ローン審査を通過できることもあります。
任意整理すると返済中の住宅ローンはどうなる?
なお、すでに住宅ローンを組んでいて返済中の人が任意整理する場合、住宅ローンを整理対象とすると、一般的には所有権が金融機関へ移り家を残すことができません。
任意整理は整理対象を選ぶことができるので、住宅ローンを整理対象から外すことで家を残しつつ借金を整理することができます。
実際に任意整理をする人は住宅ローンは整理対象から外して家を残す人も多く、住宅ローンの返済中の家を残すことができない自己破産よりも柔軟に債務整理をすることができます。
債務整理をしたいけど、家は残したいという人には任意整理が最も利用しやすい手続きになります。
ただし、借金の額や返済額その他との兼ね合いもありますので、具体的には弁護士などの専門家へ相談の上、どの手続きを取るか決めていく必要があります。
まとめ
任意整理をする際の住宅ローンへの影響を見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 任意整理後、一定期間は住宅ローンは組めない
- 事故情報が消えても、整理対象とした金融機関ではローンは組めない
- 返済中の住宅ローンは整理対象から外すこともできる
任意整理をすると、信用情報機関に金融事故情報(異動情報)が登録されるため、任意整理後5年から7年程度は住宅ローンを組むことはできません。
また、信用情報機関の事故情報がなくなっても、整理対象とした会社では社内のブラックリストに登録されるため住宅ローンを組むことはできません。
ということで、任意整理から一定期間経過後に、任意整理の整理対象としていない会社であれば住宅ローンを組むことができます。
過去に任意整理をしていたことが審査上不利に働くのは上記のケース以外ないので、一定期間経過後は普通の人と同じように住宅ローン審査を受けることができます。
返済中の住宅ローンがある人は、任意整理の対象から住宅ローンを外すことができるので、他の債務整理よりも柔軟に借金を整理することができます。
任意整理をすることによる住宅ローンへの影響は限定的といえますので、まずは弁護士など専門家に相談して任意整理をはじめとした債務整理を検討してみましょう。
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