借金を整理することができる「債務整理」は、多額の借金を減額したり、取り立てが止まるなど借金をしている人にとって大きなメリットがある手続きです。
メリットは多いですが、良いことづくめではなく、債務整理にはデメリットもありますので、デメリットを理解した上で実施する必要があります。
債務整理のデメリット
一般的に債務整理には以下のデメリットがあります。
- 信用情報のブラックリストに載る
- 官報公告に載る
- 一部職業に制限がかかる
- 保証人に請求がいく
- 弁護士費用がかかる
信用情報のブラックリストに載る
まず、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産などすべての債務整理に共通して、信用情報のブラックリストに載るため新たな借入やクレジットカードを作ることができなくなります。
個人の信用情報は信用情報機関に登録がされていて、融資やキャッシングなど借入の際や、新たにクレジットカードを発行する際の審査などで参照されています。
つまり、信用情報機関を通じて色々な会社で情報共有がされているのですが、債務整理をするとこの信用情報に事故情報として登録がされます。
行った債務整理の手続ごとに登録される期間が異なり、手続きごとに以下の期間ブラックリストに登録がされます。
手続き | ブラックリストに載る年数 |
---|---|
自己破産 | 7年~10年 |
個人再生 | 7年~10年 |
任意整理 | 5年~7年 |
ブラックリストに載る期間が最も短い任意整理でも5年から7年は信用情報のブラックリストに載ることになります。
最低でも5年間は新たな借入やクレジットカードを作ることができなくなると理解する必要があります。
官報公告に載る
次に、個人再生や自己破産をすると官報によって公告されることになります。
手続き | 官報公告の有無 |
---|---|
自己破産 | ○ |
個人再生 | ○ |
任意整理 | × |
官報とは国の広報誌です。
一般の人が見るものではありませんが、誰でも見ることができる国の広報誌ですので、特定の業界では官報をチェックしており債務整理を知られることになります。
闇金業者などから連絡が来たりすることもありますので、デメリットといえます。
自己破産の場合には手続き後から2週間後と免責決定の2週間後の2回公告がされ、個人再生の場合は開始決定の2週間後、書面決議決定の2週間後、認可決定の2週間後の3回の公告があります。
任意整理、特定調停の場合には公告はされません。
一部職業に制限がかかる
また、自己破産をした場合のみ、債務整理後につける職業に一部制限がつきます。
破産開始決定から免責決定を受けるまでの間、警備会社の警備員や保険外交員などの職業につくことはできません。
手続き | 職業の制限 |
---|---|
自己破産 | ○ |
個人再生 | × |
任意整理 | × |
また株式会社と有限会社の取締役、監査役の職業についている人は破産をすると退任しないといけません。
ただし退任後、即時に取締役に選任することは可能になっています。
保証人に請求がいく
債務整理をした時に保証人に請求がいくことになるというデメリットもあります。
自己破産をすることで、手続きをした本人の債務は免責になりますが、保証人がいる場合には保証人の債務は残ることになるので債権者から保証人に取り立てがいくことになります。
個人再生の手続きも同様です。
ただし、任意整理の場合には保証人の債務も含めて任意整理手続きを行うことになるので、任意整理の手続きが成立すれば保証人が支払義務を負うこともなくなります。
手続き | 保証人への影響 |
---|---|
自己破産 | ○ |
個人再生 | ○ |
任意整理 | △ |
このような点からも債務整理で任意整理が最も選ばれているのかもしれません。
このように、債務整理をすることは自分だけでなく、保証人に影響を及ぼしますので、どのような債務整理の手続きを取るのかは弁護士も含めてよくよく検討をする必要があります。
弁護士・司法書士費用がかかる
また、債務整理は自分で行う特定調停を除いて、弁護士や司法書士など専門家に依頼することになりますので、その分の弁護士費用や司法書士費用がかかります。
とはいえ、任意整理などで返済金額を減らすことができれば、弁護士費用以上に得することになります。
手続き | 弁護士費用 |
---|---|
自己破産 | ○ |
個人再生 | ○ |
任意整理 | ○ |
債務整理を専門家の便りなしにするのはあまりに無謀なので、弁護士費用を払うだけのメリットがあるのかで判断ができます。
弁護士事務所でもまず無料相談ができますので、そこで聞いた話や自分が取れる選択肢を聞いた上で最終的にご自身で判断されるのがよろしいかと思います。
クレジットカードへの影響
上述した通り、債務整理をするとクレジットカードを新たに作ることはできなくなります。
また、ブラックリストに載るとクレジットカード会社が確認した時点で持っているクレジットカードも解約されます。
クレジットカード会社がカード保有者の信用情報を確認するタイミング(与信のタイミング)は、カード会社によって異なり、数ヶ月に一度チェックする会社もあれば更新時にのみチェックしている会社もあります。
どのクレジットカード会社がいつ信用情報をチェックしているかはわかりませんので、運がよければ更新のタイミングまでカードを使えることもありますし、すぐに解約されてしまうこともあります。
任意整理であればクレジットカードを残せる、持てるというのは、ある意味で正しく、ある意味で間違っているといえます。
運が良ければ残せる場合もあるという感じですね。
個人再生や自己破産の場合には残債(請求が残っている・利用実績がある)があるクレジットカードは整理対象となり使えなくなります。
もちろん上述した信用情報のブラックリストから削除されれば、審査内容によって新たにクレジットカードを作ることができ、利用できるようになります。
住宅ローンへの影響
信用情報のブラックリストに載ると、クレジットカードやキャッシングだけでなく、住宅ローンの審査に通ることも難しくなります。
住宅ローンの審査時も信用情報に照会をかけるため、上述した手続きごとのブラックリストに載る期間の間は住宅ローンの審査に通ることは難しいです。
任意整理であれば、5年から7年は住宅ローンを組めなくなるということになりますので、その点は影響があると理解しておく必要があります。
ただし、任意整理後5年から7年経過すれば事故情報が消えてブラックリストでなくなるので、債務整理以前のように普通に審査をしてもらうことができるようになります。
家族、配偶者への影響
債務整理をする際、基本的に家族や配偶者への影響はありません。
そもそも、借金に関しては個人主義という形になっており、夫の借金を妻が返済する義務はなく取り立てもありません。
もちろん逆の場合も同様で、妻の借金を夫が返済する義務もありません。
本人以外で返済義務があるのは、保証人になっている場合のみです。
債務整理の際の影響も同じような考え方になっており、夫が自己破産をしたからといって妻がブラックリストに載ってクレジットカードを利用できなくなったりローンを組めなくなるわけではありません。
自己破産をしたことが影響して子供の将来に影響が出るということもありません。
上述した債務整理のデメリットは基本的に債務者「本人」のみで、そのデメリットも信用情報上のもので、さらに社会的制裁を受けるということはありません。
このあたりも手続き前に専門家へきちんと相談して、影響範囲をきちんと確認しておくと良いでしょう。
債務整理のデメリットの誤解
債務整理のデメリットとして誤解されていることもあります。
よく言われるのが、
年金の受給権がなくなる
戸籍に載る
会社をクビになる(懲戒解雇)
などですが、これはすべてデマで債務整理をしたからといって、年金の受給権がなくなったり、戸籍謄本に残ったり、自己破産などを理由に会社をクビになるということはありません。
多額の借金があったことが影響して会社をクビになる(会社に損害を与えたなどを理由に)可能性はありますが、「自己破産したから」など債務整理をした事自体が理由となって、これらのマイナスのことが起こることはありません。
一般企業の場合も公務員の場合も同じで、債務整理を理由にクビになることはありません。
また上記のように家族や配偶者へ迷惑がかかると考える人もいますが、借金問題で関係するのは本人と保証人です。
家族へは影響ありませんので、過度に家族への影響を考えて行動に債務整理を諦めるということはないよう、まずは専門家へ相談されることをおすすめします。
まとめ
債務整理をした時のデメリットを見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 債務整理をすると信用情報のブラックリストに載る
- 弁護士費用がかかる
- 基本的に影響は本人と保証人のみ
債務整理は手続きの種類ごとに様々なデメリットがあります。
メリットの方が大きいといえますが、このあたりはよくよく理解した上でどのような手続きをとるか選択する必要があります。
どのような手続きがとれるか、自分の状況だとどうするのがベストなのかは専門家に相談されることをおすすめします。
どのような手続きが良いか、おすすめの弁護士事務所はどこか、匿名、無料でシミュレーションすることもできますので、本気で借金問題を解決したい人は一人で悩まずに利用してみてください。
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