債務整理の取り消しはできる？取り消しのデメリット、注意点

債務整理は弁護士に依頼して手続きを進めてもらうことになりますが、状況の変化があって手続きを取り消しできるか気になる人もいると思います。

手続きごとに債務整理の取り消しをすることができるのか、また取り消しすることでどんなデメリットがあるのか見ていきたいと思います。

債務整理の取り消しはできる？

一度任意整理を弁護士に依頼した場合でも、任意整理のデメリットを考え取り消すことができます。

任意整理のデメリットとは、信用情報機関に異動情報が登録されて、5年から7年程度の間、クレジットカードや住宅ローンの審査にまず通らなくなる点などがあります。

任意整理を専門家に依頼する前に、本来であればこれらの事項はすべて説明しなければいけませんが、弁護士があまり詳しく話をしなかったり、自分がよく聞いていなかったりして後からデメリットに気づくことがあります。

後で気づいたら、任意整理であれば和解契約書を交わす前であれば、任意整理を取り消すことができます。

任意整理を取り消すには、債務者は弁護士に「任意整理を取り消したい」旨を申し出るだけです。

弁護士は依頼者が任意整理を取り消したいと言ってきたら、受任通知を送付済みの場合は債権者に向けて辞退の申し出をします。

債権者は代理人から辞退の申し出を受けたら、信用情報に登録した異動情報が誤りだったことを信用情報機関に通知して、異動情報を取り消します。

任意整理の一般的な流れとして、

債務者が弁護士へ任意整理を依頼
↓
弁護士が債権者へ受任通知を送付
↓
債権者が信用情報機関で異動情報を登録

となります。

ですので、取り消しをする時には

債務者が弁護士へ任意整理の取り消しを依頼
↓
弁護士が債権者へ辞退の申し出
↓
債権者が信用情報機関に異動情報が誤りだったことを通達

という流れでこれまで行ってきた手続きを取り消します。

上記の流れ通り取り消しができれば、途中まで手続きを進めていた任意整理を取り消すことができ、信用情報機関のデメリットを受けることもありません。

ただし、任意整理を取り消しすることにはデメリットもあります。

まず異動情報が消えないケースがあります。

上述した通り、任意整理の取り消しをすると弁護士から金融機関宛に辞退の申し出をしますが、これに応じてきちんと信用情報機関に異動情報の誤りを通達してくれるかは金融機関によります。

基本的には対応してくれますが、中には連絡のつかない金融機関が出てきたりします。

こうなると一度登録された異動情報が消えない可能性があります。

ですので、債務者と弁護士が滞りなく任意整理の取り消し手続きを進めたとしても異動情報が消えない場合があります。

異動情報が消えないと任意整理をしてないのにブラックリスト入りすることになり、かつ借金の減額もできないという苦しい状況に追い込まれることになります。

このあたりのリスクは任意整理の取り消し前に専門家へきちんと相談する必要があります。

また弁護士に支払った着手金が戻ってこない可能性もあります。

債務整理の手続きを弁護士に依頼すると、一般的には着手金を支払うことになります。

着手金は、弁護士が債務整理の手続きに入るために必要な費用として支払うものですので、任意整理の取り消しをしたら戻ってこないのはある意味当然です。

アディーレ法律事務所など、弁護士が受任後90日以内であれば全額返金保証をしている弁護士事務所もあります。

任意整理の手続きを依頼する際にはこのような返金保証がある事務所を選んだり、初期費用や着手金が無料の弁護士事務所に相談するのが良いです。

また、任意整理の手続きを依頼する際にも、取り消しをするつもりがなかったとしても取り消しの際の手続きや費用の取り決めをきちんと確認することも重要です。

まだ債務整理の手続きを依頼していない人であれば、無料相談できる弁護士事務所いくつかに相談してみて、料金体系が明確だったり、取り消しの際の費用負担が明確な専門家を探すのが良いでしょう。

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