保証人をつけた借金の場合、債務整理をすることで保証人へ影響が出ることになるので、債務整理が与える保証人への影響は理解しておく必要があります。
債務整理の手続きによっては、保証人に影響なく借金を整理することもできますので、債務整理をした時の保証人への影響と影響なく債務整理をする方法を見ていきましょう。
債務整理した時の保証人への影響
- 個人再生、自己破産大きな影響がある
- 任意整理、特定調停は債務の選択が可能
個人再生、自己破産は大きな影響がある
債務整理の中でも、個人再生と自己破産をする場合には、保証人に大きな影響が出ます。
債権者は、債務者が債務整理をして回収できなくなった借金を保証人に請求できます。
そのため、個人再生であれば借金を5分の1か100万円まで減額することができるので、最大で借金の80%もの金額を債権者から保証人に請求できることになります。
自己破産の場合は、債務者は原則すべての債務を免除されることになります。
そのため、保証人は保証人となっていた借金の全額を債権者から請求される可能性があります。
個人再生、自己破産ともに整理する債務を選ぶことができず、原則すべての借金が整理対象になってしまい、保証人のついている借金だけは整理対象外とすることができません。
保証人がいる借金を持つ人が個人再生、自己破産をする場合には、保証人に大きな影響というか迷惑をかけることになります。
借金の額が大きい場合には、今度は保証人自身が債務整理を検討しないといけなくなってしまい、自分の借金のせいで保証人の人生に大きな影響を及ぼす可能性もあります。
任意整理、特定調停は債務の選択が可能
一方、任意整理、特定調停は整理する債務を選択することができるので、保証人のいる債務を整理対象から外すことで保証人に影響を出さずに債務整理することが可能です。
任意整理は、債権者と個別に裁判所を通さずに交渉をして、債務の減額について合意をする債務整理の手続きです。
交渉は債権者ごとに行い、一部の債務については任意整理をしないという選択もできるので、整理する債務を限定することができます。
また特定調停の場合は、裁判所を仲裁人として、債権者と個別交渉して和解する手続きで、任意整理と同様に整理する債務を選択することができます。
ですので、保証人のいる債務を除いて債務整理をすれば、保証人への影響なく債務整理をすることができます。
ただし、保証人のついている債務の金額が大きかったり、かなり減額できることがわかっているなどの事情で、保証人がついている債務も整理対象としたい場合もあります。
そのような場合には、連名で任意整理や特定調停をすることができ、保証人に影響を出さずに整理することもできます。
任意整理の場合は、委任状に保証人も同時に代理依頼する旨を記載し、債権者から保証人へ請求がいくことを回避できます。
特定調停の場合は、裁判所への申し立て時に保証人を関係債務者とすることで、連名で手続きすることができ、こちらも債権者から保証人への請求を避けることができます。
このように、保証人へ影響なく債務整理をすることもできますので、信義則の面から見ても、保証人がついている借金がある人は任意整理、特定調停を選択すべきといえます。
保証人が必要な借金の例
消費者金融のキャッシングや銀行系カードローンなどのほとんどは保証人不要の借金ですので、キャッシングの返済に困って債務整理を検討している人であれば保証人への影響で悩む必要はありません。
保証人が必要になる借金には、例えば教育ローン、奨学金、車のローン、エステ代など、比較的高額な借金であることが多いです。
貸す側も高額なお金を貸すのはリスクですので、万が一契約者本人が返済できなくなっても大丈夫なように保証人を立ててもらうように求めるのですね。
債務整理をした後に保証人、連帯保証人になれる?
では、債務整理をした後に他の人の借金やローンの保証人や連帯保証人になることはできるでしょうか。
結論として、債務整理をすると一定期間は借金やローンの保証人や連帯保証人になることはできません。
保証人、連帯保証人は契約者と同じかそれに準ずる返済義務を負うことになります。
そのため、保証人や連帯保証人も契約者と同様に信用力が必要となり、審査を受けることになります。
債務整理をすると、信用情報機関に事故情報が登録され、いわゆるブラックリスト状態となり、ローンやクレジットカードの審査にまず通らなくなります。
自分でローンを組むことができないので、保証人や連帯保証人の審査にも落ちることになり、他人の借金やローンの保証人、連帯保証人にはなることができません。
ブラックリスト状態の期間は、債務整理の手続きや債権者、信用情報機関の種類によっても異なりますが、債務整理後7年から10年ほどはかかります。(債務整理後の返済を滞納した場合は、借金の完済から5年かかります。)
信用情報機関に情報開示することで実際にブラック状態となっているかはわかりますが、目安として7年から10年と理解しておくと良いでしょう。
さらに債務整理をした金融機関では、社内のブラックリストに載ることがほとんどで、こちらは掲載期限などもないので、半永久的にローンや新たなクレジットカードが発行できない可能性が高いです。
当然、社内のブラックリストに載ると保証人、連帯保証人にもなれません。
債務整理をした人が、保証人や連帯保証人になろうと思ったら、債務整理から一定期間を経過していることと、債務整理をした金融機関以外との取引であることが条件になります。
上記条件をクリアしていれば、過去に債務整理をした人でも他人の借金やローンの保証人や連帯保証人になることはできます。
借金の保証人、連帯保証人が債務整理した場合
借金の保証人や連帯保証人となっている人が債務整理した場合は、借金をしている債務者本人にどのような影響があるでしょうか。
連帯保証人が債務整理をした場合に、債務者が借金を全額返済しないといけなかったり、返済期間を短縮するなどの影響があるでしょうか。
結論から言うと、連帯保証人が債務整理をしてもほとんど影響はなく、せいぜい新しい連帯保証人を立てるように求められることが多いようです。
連帯保証人が債務整理をしても、債務者本人がきちんと返済をしていれば金融機関としても問題なく、連帯保証人の信用は失われますのでその分新しい連帯保証人を求めることはありますが、それほど素早い動きをすることは少ないようです。
なお、連帯保証人が債務整理となった場合、一般的には銀行へ通知する義務が債務者にはあります。
金融機関側は継続審査をしていない限り、連帯保証人が債務整理したことに気づく可能性は少ないですが、弁護士からの通知や差押え通知などで連帯保証人に何かあったことを知ることはできます。
銀行側が後から知って、債務者本人から通知がなかったことがわかると信頼関係には大きく傷がつくことになります。
金融機関と長く付き合いをする予定であれば、連帯保証人の債務整理などの大きなできごとは、なるべく早く通知するのが賢明です。
まとめ
債務整理と保証人の関係を見てきました。
内容をまとめると以下のようになります。
- 個人再生、自己破産は保証人に請求がいく
- 任意整理であれば保証人がいる債務を外して整理できる
- 債務整理をすると他人の保証人には一定期間なれない
保証人がついた借金を債務整理すると、保証人に請求がいってしまう場合があります。
個人再生と自己破産は、減額できた借金の分だけ債権者から保証人に請求がいってしまい、金額によっては保証人を債務整理に追い込むことになりかねません。
借金の保証人になってくれる人は多くの場合、恩人だと思います。
恩人に恩を仇で返すことがあってはならないので、保証人がついている借金がある人は、極力個人再生と自己破産は避けないといけません。
任意整理と特定調停であれば、整理する債務を限定して、保証人への影響を極力少なくすることができます。
借金の返済がきちんとできるかという問題はあると思いますが、保証人がついた借金がある人はまずは任意整理と特定調停を検討するのが良いでしょう。
保証人への影響や自分の負担や完済の可能性など、保証人がついた借金を抱えている人はそれだけ考えることが多くなり、影響も大きくなります。
まずは専門家に相談した上で、自分にどのような選択肢があり、保証人に影響を出さない、少なくするにはどうしたら良いか相談するのが賢明です。
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